(37)貧乏結構
昨年は破綻や解雇など暗い話題に翻弄された。しかし嘆いてばかりでは腹の足しにもならない。マスコミでは困窮の説明に「ガスも電気も水道もない」という枕詞を使いたがるが、実際に世界ではガス・電気・水道の恩恵を受けている家庭がどれほどあろうか。 メコンの畔に建つ高床式の家屋にはもちろん電気もガスも水道もない。夕餉の時間にお邪魔すると家の中から笑い声が漏れてきた。今晩のおかずは目の前のメコン川で捕れた小魚と近くに生えていた青菜、それに米飯。室内には電化製品などなく、炊事は外で七輪を使う。日本の生活から見ると何もないはずが、家族には笑顔が絶えない。それは明日という希望を信じているから。具体的に何が変わるわけでもないのに、家族が欠けることなく無事に明日が迎えられる幸せを素直に喜べる余裕があった。 日本人は資本家や広告屋、それにマスコミにも煽られて分不相応な行き方をしていたのではないか。今年は貧乏を楽しんではいかがだろう。拙宅には風呂がないので銭湯通いをしていたが、銭湯代に事欠く事態になったので、昨年、台所のガス湯沸かし器を利用したシャワールームを手作りした。総費用は約1万円。子ども時代、長崎市内に住む祖父母の家では、夏の間、たらい風呂で行水をしていた記憶が甦る。以下のURLで詳しいシャワールームの作り方が紹介されてい る。 http://www7.big.or.jp/~katsurao/jy/bath.htm
そう言えば、昨年は食品偽装も話題になったが、世間はあまりにも騒ぎすぎだ。大掃除で三〜四年前に賞味期限が切れた缶詰や乾燥食品が出てきたので、食べてみたが異常はなかった・・・日本の食品は凄い?日本の食料自給率は約四割、足りない食料は世界中からかき集めているくせに、その大半はゴミになって捨てられる方が異常だろう。
2009年1月
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